西尾維新『戯言シリーズ』 5/5

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

 このシリーズはどれも3回ずつは読んだ。今じゃもう押しも押されぬ大先生。最近は大河ノベル(年間の続き物)なんてものをされてるし。クビキリサイクル発刊の時点ではその存在すら気づかず、ある日のこと、所謂ジャケ買いをしまして(竹さんの絵に惚れた)、それで読んでみればびっくりするほどおもしろくて・・・読み終わる前に、続刊を買いに走ったほど(おい)いや、書店が閉まるから。閉まる前に買って読めるだけ読んだると。
 そんなこんなでその内容ですが、一応推理小説です。ミステリーといった方がしっくり来るかも。まぁ、それもクビツリハイスクールまでの話ですけど。
 何より衝撃的だったのは、いーちゃん語り部)の自己に対する姿勢。過去を背負った主人公というのが小説にはよくあること、必須ともいえるほどだが、そんな中でもひたすら内向きに書かれていることに衝撃を受けた。これはライトノベルに属する小説だと思うが、それだけではくくれないものがこの小説にはあった。筆者がこれでもかと詰めに詰め込んだ精力的な作品。
 作家が持てる物を注ぎ込みすぎた作品を一度書き上げてしまえば、長く作家を続けられない。僕はそんな風に思っている。もしかしたら、西尾維新はこれ以上の作品を書けないんじゃないかと心配しているほど。というのも、発刊が早すぎる。これは大問題だと思う。書くのが速いと言われているけれど、それはそれ。モチベーションだってあるし、おもしろい設定とキャラを作ってさっさと書け、ではよくないというか、かわいそう。
 っとまぁ、何が言いたいかと言うと、西尾維新先生が大好きでこれから何十年とともに読んでいけたらと。そのために、担当の方、優しくして、大切に育ててあげて欲しいなぁと。(←かなりえらそうだww)
 というわけで、どうぞ一度読んでみてください。