森見登美彦「太陽の塔」 5/5
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
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おもしろかったです。太宰治っぽい感じがしましたね。まぁ、内容は全然違うんですけどね。文体というか、う〜ん、似てると感じたんですが、理由は不明。もしかすると、太宰治の真似をして成功した人に大きく影響を受けたのかもwwまっすぐにはどうあってもつながらない。どこか一度別のところへ立ち寄ってるはずです。
内容は、大学生の主人公(男)が世の中の恋愛礼賛・迎合主義に不満を持ち、同志と共にいかなる精神をもってそれに立ち向かっていくのかを、自己擁護的な感じで、一人称で書いている。「それは間違えているにちがいない。なぜなら、自分たちが間違えていることなどありえないから。」という論理の展開でほぼ成り立っているので、そのキチガイぶりはおもしろい。文字ならではの笑いがあって、非常に良くできている作品だと思う。同じ作者の「夜は短し歩けよ乙女」も私は5点をつけたのですが、こちらと比べると、4点の感じがする・・・まぁ、あのときは一般向けのために、紹介という点をかんがみて、5点ということにしたんですが。
不満というか、もうちょっと分量が多かったらうれしいなぁと思いました。省略されている部分が多すぎて、手抜きに見えた箇所もあった。