ルルーシュの心情の流れ

 ルルーシュの性格がころころ変わるように見えるのは何故なのか。これを明らかにしていきたい。

追記:これははっきり言って、何とか理解しようと無理を通して言葉にして表現している部分があるので、「考えるんじゃない、感じるんだ」という人はあまり気にしないで下さい。加えて、一方的に思い込んでいる部分、つまり妄想が入っているのであしからず。

 まず、ルルーシュはどんな行動をしているのか。全部を上げる事は無理なので、公式サイトのあらすじから大まかな動きだけを追う。話数と内容が食い違っているかもしれません。

 1話ー正義感が強く、事故にあった人間を救おうとする
 2話ー圧倒的な戦術で戦闘を勝利に導く。クロヴィスを殺害する。
 3話ークロヴィス殺害後も平気で学校へ来る。
 4話ーカレンや扇らを懐柔する。スザクを勧誘するも断られる。
 5話ールルーシュはC.C.と再会
 6話ースザクとルルーシュが完全に再会を果たし、同級生に。
 7話ールルーシュ、コーネリアに敗北。
 8話ー黒の騎士団結成へ。河口湖畔で立て篭もったテロリストに対して、正義の名の元に粛清を下す。ユフィと再会
 9話ー黒の騎士団はリフレインという麻薬の撲滅へと動く。イレブンの間で英雄扱いされる。学園では着ぐるみをやる。
 10、11話ー弱気を助け英雄扱いされる一方で、黒の騎士団はブリタニアと戦い続ける。ナリタ連山でコーネリアを追い詰めるもスザクによって再び撤退を余儀なくされる。
 12話ーテロ支援をしているキョウトの代表と会い、支援を確約される。
 13話ーナリタ攻防で、シャーリーの父親が死亡するという事態にルルーシュは驚きを隠せない。しかし、留まることをせずにまたブリタニアとの戦闘へと向かう。その際、日本解放戦線をコマのように呆気なく殺してしまう。
 14話ーシャーリーはマオからルルーシュがギアス能力だと教えられる。その結果、ルルーシュはシャーリーの記憶を消す。
 15話ールルーシュがマオを退ける。ルルーシュはC.C.にお前の目的もかなえてやると契約をする。
 16話ーどうやって出て来られたのかわからないマオがナナリーを誘拐。超人的能力のスザクの助けがあって、無事救助。呆気なくルルーシュは自分にギアスを掛けてしまう。何事もなかったかのように、ただの喧嘩だとシャーリーとの関係を説明する。
 17話ー藤堂を助けるため、またもやテロ活動を行う黒の騎士団。ラクシャータとディートハルトが加わる。ランスロットパイロットがスザクと知り、動揺する。
 18話ーまたしてもテロ活動をする黒の騎士団(最早ただのテロ集団だ)しかし、それはスザクを勧誘する罠だった。しかし、逆に追い詰められ、スザクにギアスを使うことになる。
 19話ー神根島でユフィと再会。ゼロの正体がルルーシュであるとばれてしまう。その後、ガヴェインを奪い逃走。
 20話ーフクオカ基地で独立を宣言した中華連邦のくぐつ澤崎を否定し、正義の名の元にブリタニアに協力しこれを撤退させる 。
 21話ー学園祭に参加する。そこで、ユフィと遭遇。その結果、ユフィがルルーシュの先回りをして、特区日本設立宣言。
 22話ー式典へと乗り込んだゼロはある作戦があった。しかし、それは叶わず、ユフィに取り込まれる。と思った瞬間ギアスが暴走し、式典は血の海に。ルルーシュはメシアと呼ばれることに恐れ、自らの立っている位置の重さを知る。そして、ユフィを正義の名の元に排除することを決意する。

 こんな感じです。さて、どこから手をつけようかとはいつも悩む。基本的に整理してから書くのではなく、順にざっと書いていくので、うまくまとまらなかったり。もちろん、後で手直しはしますが。と、まず、序盤のルルーシュの正義感について。
 ルルーシュはギアスがなくとも、偉ぶる貴族にはむかっていたようです。それはチェスやその他の会話、事故の救助にむかったことからもわかります。ナナリー至上主義ではありますが、それとは別に正義感を持ち、差別に対する抵抗感をずっと持ち続けていました。これがもともとのルルーシュの性格です。
 ギアスを手に入れたルルーシュはずっと温めていたブリタニアを崩壊させる道へと踏み出します。そのきっかけとなるのが、クロヴィス殺害です。もうすでにここからルルーシュは茨の道を歩んでいるということを忘れてはならない
 ここからシャーリーの事件までほとんど暢気に学園生活をしています。というのも、ゼロとルルーシュはあくまで別の存在として存在しなければならないからです。これが今回の最重要ポイントとなります
 この二つの間で自分を制御しきれなくなったのがルルーシュの変化なのです。
 ルルーシュはゼロとして非情な部分を見せつつも、学園の中ではルルーシュとして暢気に生活をしなければならない。その歪がルルーシュの精神を到底理解できないような作用を起こして異常にさせてしまったのです。
 え〜、理解できないのでうまく説明できませんが、その辺はわかっていただきたいです。

 散々これまでルルーシュについて書いてきましたが、ちゃんとルルーシュを把握しきれていなかったことはちょっと恥ずかしいですorz多くの人はわかっているのかもしれないので、知ってるとか思う人は読んでも意味がないかもですが。

 ルルーシュは身内に甘いというところが根底にあります。もともとはナナリーだけだったはずなのですが、ナナリーの周囲、学園の日常だったり、ルルーシュの周りとどんどんと大きくなっていっているのがわかります。それは、単純にスザクやユフィと再会したという出来事にも寄るだろうし、日常という拠り所を求めたルルーシュの行動の結果とも言えます。いつもならここでルルーシュはどちらかを捨てるべきだとなるんですが、今日は言いません。
 ルルーシュは本人が思っているよりも弱いです。ですから、考えなければならないことも考えないようにしているのです。例えば、人の死を数字で読む人間は本当に何も感じていないのか、考えるのが恐ろしくて考えていないのかに大別されます。ルルーシュは後者だったというわけです。その辺は私もよくわかっていませんでした。しかし、結果としてゼロはそういう判断をしていくわけですから、ゼロの行動を考える際の問題はないと思います。この敢えて考えないようにするというのが曲者で、気づいていないのではなく、考えないようにする、なのです。戦争で人を殺す際によくある話なのですが、強要された場合、やりたくもないのにやらなければならない、その矛盾を埋めるために考えないようにするのです。私達も生活の中で結構無意識の内にやっていることが多いです。
 そうやってルルーシュは自己防衛を図ります。ゼロとしてある際は完全に自己防衛を行います。そして、ルルーシュとしてある際は、割りと本来の自分を交えながら自己防衛をあまりしません。ここもまたポイントです。気を引き締めているのはゼロであろうとしているときのみなのです。ゆえに、ゼロとルルーシュの距離が近づいて来ると、自分を守りきれなくなる。
 結論を急いでしまいましたので、少し話を戻します。ルルーシュは身内に甘いです。それはナナリーが発端になっている所為です。ナナリーを捨てられない以上、そこから派生する関係もあっさりとは捨てられなくなるという理屈です。逆に言えば、そこさえ守れば、そのほかを捨てられるという理屈になります。理屈上の話ですから、どこまで現実的なのかは別として、少なからずルルーシュはその思想に傾いています。
 誰かを優先させるという事は、誰かを優先しないということです。ルルーシュは二つの自分の間で迷い、守るべき者、行動の理由を強く欲します。ゼロが巻き起こしていく多大なる犠牲、それを自己防衛によって押さえ込もうとしますが、それだけでは押さえきれなくなります。そのきっかけが、シャーリーの父が死んでしまったことでしょう。ゼロとしての自己防衛が働かず、ルルーシュは直撃を受けてしまいます。二つの自分を守るためにルルーシュが行ったことが、さらに加速するように誰かを優先し始めることです。ゼロである部分がルルーシュに犯されていくのです。ゼロとして非情になって自己防衛をするのではなく、優先するものや日常を求めます。一か零、助ける、助けない。この線引きがしだいにはっきりとしていきます。この線引きはかなり重要です。スザクなんかはまるっきりできていません。ユフィは出来過ぎていますww
 そして、ゼロとルルーシュは捨てる物を捨て始める(兵士をコマとしてみて殺してしまう。シャーリーの好意など。)その過程でルルーシュはC.C.をマオという相手から守りきり、自らのものとします。
 漸く、固まり始めた自我を崩壊させたのは、憎きランスロットパイロットが優先していたはずのスザクであったことです。ゼロであるはず自分がもう一人の自分であるルルーシュに再び犯され始めます。そして出した結論は、スザクは捨てない。ゼロはスザクを勧誘することに決めます。しかし未熟すぎたスザクと隠さねばならないルルーシュとしての自分の所為ですれ違ってしまいます。
 その過程でルルーシュはユフィと再会し、ゼロがルルーシュであると知る唯一の存在を得る。(C.C.は基本的にのらりくらりで、ルルーシュと行動はともにするが、分かり合おうとはしていないので、含めない。)かつてのゼロであれば、すぐにでも殺してしまったはずだが(対象が悪でなくとも招待がばれる事は終わりを意味しているので、そう決断したはず)、ルルーシュとしての自分が自分を知っていてくれる者として誰かを求めたのか、あるいはゼロとしても優先させるべき存在としてユフィを認識したのか。というのも、ユフィがスザクを騎士にしたこと。これをルルーシュは快く思っていたのかもしれない。
 追記:もともとルルーシュとユフィは仲がよかったようだ。ユフィは厳しい後継者争いの中で愛玩動物のようで、誰からも愛される存在らしい。ブリタニア皇帝に言わせれば、淘汰されるのみだが。
 ゼロは次の段階として、他の介入を許さない大きな組織、国の構想を練り始める。その頃のゼロあるいはルルーシュの思考として、ユフィとスザクはそのままにしておいていいと考えている節がある。なぜなら、ユフィはどうあってもブリタニアを抜けることが出来ず、ならばスザクが騎士となったのは好都合であると考えたからです。しかし、未だ迷いがあるスザクでしたが、漸く迷いを断ち切ります?要するに、スザクも色々と諦めて線引きをすることができるようになったはず?ユフィに協力するのですからスザクはルルーシュと同じ位置にまで上ってきたはず。
 守りきっている自分の優先された人間の中に浸りきり、満足なルルーシュとゼロ。国家設立への準備も着々と進む。しかし、ユフィがゼロよりも先に行政特区立ち上げの宣言をしてしまう。その瞬間、ゼロはユフィのスイッチを切ってしまった。しかし、ルルーシュは未だ諦めきれずにいて、ナナリーに、自分に問いかける
 式典で、ゼロはユフィを排除するために、二人きりで部屋に篭ることになる。ギアスを発動させるも、うまく働かず、会話を繰り返す内にユフィの決断力に感嘆させられてしまうルルーシュ。それは図らずもルルーシュが望んでいた世界にあまりに近く、ゼロとして切ったはずのスイッチ追記:誤用でしたスイッチは切る入れる。明かりを消すともす)をルルーシュがまた点してしまう。そこまで犯されていたことに自分ではまったく気づいていない。ただ、流されるままに与えられ続けた選択肢のどちらかを選んできただけ
 しかし、暴走するギアス。自分が望んだ通りの結果にならない事への苛立ち、そして切り替わらないゼロとルルーシュ二つの自分が近づきすぎてしまっていた。そのためか、さらに自己防衛を突き抜けてくる誰かの死に際のゼロに対する想い。突き動かされるように、再び与えられた選択、一つしかない選択肢をゼロではなくルルーシュが選び取る。そして、今度はルルーシュとしての自分すら保つため大きく自己防衛を働かせていくことになる。近づきすぎた二つの自分の代償。自己防衛によって固定化されていくルルーシュの思考・・・・次回を待て!ww

 と、途中からあらすじのような次回予告のような、そんな感じになりましたが、これで大半は理解できたかなと。ゼロとルルーシュ、一応使い分けて書いていますが、おかしい部分もあるかも。ざっとみればわかりますが、ドンドンとへたれていくのは、ルルーシュの所為ではなくて、与えられてしまった運命の所為でしょう。別に茨の道を歩んでいるからそうなっていくのではなくて、この場合ルルーシュの周りが騒がしすぎるという設定の所為でしょうね。ランスロットがいても、それがスザクでなければと考えると、ゼロはもっとたやすく事を成していけたでしょう。
 倫理的な問題として色々と挙げましたがここで簡潔に改めてあげておきます。
 ・ルルーシュの周りだけで物語が進みすぎていること
 ・そのルルーシュの心情でさえはっきりと伝わらず、積み重なってきたものは物語の流れだけに見える。
この二つでしょうね。

追記:この表現だと倫理的な問題とは作品の中の問題のようにも見えてしまうので、はっきりとさせておく。
これは、製作者の問題。倫理について以前に日記にでは詳しく書いたが、製作者は自分が作り出したものの影響力についてまで考慮しなければならない。
例えば、法律の抜け道という本を書いた場合、現実的にそれを見て行う人間がいるとすれば、それは誰の責任かと言えば、行動を起こした本人だけの所為だけだとはいいきれない部分がある。それは対象があくまで善意を持った人間に搾りきれていないからだ。本として出版される以上、誰でも手に取ることができる。だから、悪用されるとわかっていて、本を出したとすら考えられても仕方がないのだ。
いじめを題材にしたドラマ(ドキュメントではない)で結局悲劇的なまま、救いようがないドラマは決して放送されない。たとえ、それが現実であろうとも。それと同じことなのだ。作り手は単純に伝えたいメッセージを載せるだけではいけない。こんなにもいじめは悲惨だとドラマで表現しただけでは、受け手が何も感じない、あるいは別の理解をしてしまうことだってあるのだから。
作る側には相手が受ける影響や誤解を含めて考えなければならないのが、人の生き死にを扱うものの最低限の倫理性ではないだろうか。


 このルルーシュの変化の過程がはっきりと伝わってこなかった原因。正確に言えば、三段構えなんですね。ゼロの建前とその奥のゼロ、そしてルルーシュとしての自分。上記で言っているのは奥にあるゼロとルルーシュです。かなりややこしくて、自分でもどこまで理解して感想を書いていたのか・・・これからは、断りを入れておかないと。

 ・ルルーシュが泣いてしまったこと
 これだけは別で書いておかないと。誰の涙か。もちろん、ルルーシュの涙なのですが、優先するべき物を捨てなければならなかったことに対するものでしょう。
これって別に特別なことじゃないです。親しい人が亡くなれば悲しいものです。ただ、周りを遮断しすぎている。親しい者を殺されて復讐に燃えて、相手にも親しい者がいることを考えられずに殺してしまう。戦争ものにありがちではあるんですが、これとは決定的に違うものです。どちらも二度自己防衛をしている点は同じです。兵士としての心構えが一度目、親しい者が殺されて周りが見えなくなるのが二度目です。しかし、一度目の兵士であり命令される側の人間と命令する側の人間の自己防衛が同じであっていいはずがないんですルルーシュの自己防衛は、強制されていないはずのゼロの行動を強制されているように感じ、やらされている自分から自分を守るために働いている。この1回目が曖昧になっているからおかしく見える。話が進めば、後戻りは出来ないとか何とか理由を付けられますが、それは言い訳でしょう。
始めたのは自分、そこを忘れてはならない。
ちゃんと一度目から認識させなおすか、泣かせないか、このどちらかであるべきなんですよ。兵士とゼロあるいはルルーシュは違う設定であるのに、同じ表現の仕方ではいけません。
 あまり書かないつもりだったのですが、ついwwゼロの背景で起こっていること、流れている血、犠牲についてはもう書きませんね。

追記:ちょっとこれだけを読むと勘違いされそうなので。
これでルルーシュを理解していると私は思っているのですが、これまで散々ルルーシュはもっと悪に染まるべきだと言ってきました。これは今も思っていることで、ルルーシュにどんな事情があろうとも関係ありません。ルルーシュの内面を書ききる事は不可能でしょうから、だったらむしろルルーシュの方をわかりやすくする方がいい、というのも理由の一つです。大きな理由はかつて述べましたが、ルルーシュが成り上がる物語が見たい。甘さを見せて、思考が固まり、自分で行う惨劇よりも悲劇へと向かって欲しくない。せめて、ディートハルト程度は頑張って欲しい。C.C.ほど達観しろとは言いません。
しかし、そうでないとルルーシュが追い込まれるだけで、見ているこっちも戦略、戦術云々がどういうことなのかを考えようにも、何でルルーシュはそう考えてしまうんだとそっちばかりが問題になる展開になりそうだ。 とまぁ、これらは愛のある一言だということです。たぶん。


 以上、書きたいことが全部かけたのかわかりませんが、とりあえずこの辺で。まだあると思うので、追記という形で後から足していくことになるかも。

明日はひだまりスケッチ感想。久しぶりにあっさりと流します。最近お疲れです。どうみても異常な量を書いている。大丈夫なのか自分。でも、まぁこれでかなりすっきりしたので、今後は大人しくなる。します。