スザクの心情について(前編)


放送が終了してしまったので、これは二期につなげるためにやろうかと思います。
 体系的にできればいいんですが、それは面倒なので、読みにくいかもしれませんが、ざっと上からまとめを交えつつ書いていこうかなと。それらのまとめを読めば大筋がわかるぐらいには整理しておこうかなとも思っています追記:無理でしたorz。変わりに太字だけを読めばわかるようにはしたつもり
 とはいえ、まったく方針や分類がないと逆に書きにくいのもいつものことなので、ある程度の分類を先に上げておきます。しかし、全ての放送を見直すわけにも行きませんので、序盤は総集編に頼って、中盤は主に記憶とあらすじ、他のサイトの感想を頼りに、終盤は私の日記もありますし、ある程度記憶がはっきりしていますので、問題はないかと。


1.スザク幼少期
2.スザク序盤
3.スザクの変化
4.スザクが憎しみに染まる
5.スザクの今後

 1.スザク幼少期

 もっとわがままで横柄な奴だったとはルルーシュ談です。それが変わってしまった。その原因はスザクが父親クルルギゲンブ首相を殺してしまったことにあります。
なぜそういった行動に出たのか?当時、ブリタニアナイトメアフレームを実践導入し、圧倒的不利だった日本。父はそれでも負けを認めようとせず、ただ多くの犠牲を出し続ける。それが許せなくて父親に直談判するも当然相手にもしてもらえない。ただスザクはそのとき、「父がいなければ」と思ったことだろう。

追記:上記は勘違いで小説版で補完されています。
結果的に、首相を失った日本は消化不良のような状態で降伏することになる。そして、スザクは名誉ブリタニア人となり、軍へと入隊する。それは、軍であれば多くの人間を殺すだけでなく救う力もあるからで、また真っ当なやり方で世の中を正したかったしかし、それは自分が犯したかつての罪から逃れたいだけだった。
 解釈はこのくらいで十分でしょうか。総集編にスザクとルルーシュとナナリーがいて、ルルーシュブリタニアをぶっつぶすと宣言しています。これに対して、スザクはどう思っていたのでしょうね。まさかその後、自分は父を殺すことになろうとは夢にも思っていなかったでしょう。
 考えてみれば、本来スザクもブリタニアを潰すと言ってもおかしくない過去を背負っています。自分の父を殺して止めるしかなかった無念さをブリタニアに知らしめてやる!そう考えていてもおかしくはないし、実際にそういう物語をどこかで見たことがあります。その場合、衝撃的な事実として父親殺しが語られ、さらにヒーロー度がアップするんですが。
 スザクはブリタニアの中に入ってしまいます。とにかく何かをしたい、しなければ押しつぶされると感じていたのかもしれません。だから、成りあがろうとは心の中では思っていません。自分が犯した罪、それに囚われて、周囲が見えなくなっているのです。ゆえに、ブリタニアが悪いと考えられなかったということでしょう
 
 2.スザク序盤

 序盤のスザクといえば、正義感をむき出しにしていかにもヒーローっぽく登場しました。しかし、あっという間に、クロヴィスの殺害容疑がかかり、殺されそうになります。そこでスザクの取った行動は、ゼロに救出されながらも法廷へと戻ろうとします。その法廷が仕組まれた者であるとわかっていながら。そのときの一言で、そういった社会ならそれに従うだけで、未練はありません。それがルールです。みたいなことでした。
 ここから見えるスザクはルールを破ることを嫌っているということです。かつて、自分の父である日本の首相を殺したことをルールから外れていると強く感じていて、例えそれがどんな結果になろうとも、それでどれだけの人を助かったとしても、自分が父を殺したという事実は変わらない、ということです
 ルールからはみ出ることを極端に嫌うということが読み取れますが、別の解釈として、ただ誰かに父を殺したことを罰して欲しかったのかもしれません。人は罪を罰されることで救いを得ます。罰を受けるという事は、代償行為であり、それによって昇華できるのです。
 同様に正しいことを行うことで、自分の罪が許されると思い込んでいるのではないか。ゆえにルールからはみ出ることを嫌っている。

 次はゼロを卑怯者だと罵ります。それは、シャーリーの父親が
戦闘に巻き込まれて死んでしまったときのことです。テロ活動の尻馬にのって、審判者気取りで掻き回すとか。
 この発言からは嫉妬が読み取れます。確かにゼロのやっていることは卑怯だと思われますが、それを民衆が認めている以上、それは嫉妬に他なりません。
 もう少し詳しくいうと、スザクはゼロのやり方では間違っていると思っています。ゼロの行為は公平や平等をうたった正義です。多くの人がゼロの行動に期待し、また救われます。しかし、それは暴力でなされるものですからゼロのやり方は認められないと言っているのでしょう。
 それはかつてスザクが父を殺してしまったやり方と似ていて、しかし、自分でもわかっているようにクルルギゲンブがいなくなったおかげで早期に降伏が進められ、多くの人間が救われました。そのギャップをスザクはいまだに認められないので、それをゼロにも押し付けているのです。
自分は認められない。なのに、ゼロはその重さも後悔も知らずに、やり遂げている
本当はスザクこそが真っ当に正しく公平、平等の名の下で尽くすことを望んでいて、ブリタニア軍に入ったというのに・・・・・自分の過ちをゼロが繰り返しているだけなのに、無知ゆえにできているだけなのに、ゼロは民衆から支持されて、あるいは堂々としていて、それに嫉妬しているわけです。

 スザクはルールに従うと言いつつも従えないものがあります。その基準は明確です。自分が死ぬという命令やルールには割りと積極的に受け入れようとし、他人を傷付ける命令やルールには消極的ではありませんが、どもってしまう。この辺をうまくスザクは折り合いがつけられていないようで、自身が死ぬ事は上記に挙げたように死にたがりなので問題ありません。しかし、真っ当に正しく、公平、平等の名の下で尽くすことを望んでいたはずのスザクはルールだからと言ってこれを覆せません。
要するに、スザクはルールは常に正しいものだとどこかで認識しているのかもしれません。あるいは、道徳的な問題とルールをごちゃ混ぜにしているのかもしれません。例えば、死刑制度をスザクがどう判断するのかを考えてみると、判別はつきません。悪いことをしたのだから罰を受けるべきですが、殺す事はないともいえますし、またルールには従うべきだともいえます。曖昧なままでスザクは軍に入り、曖昧なままで自己を放って置いている。そういうところでしょうか。

 ここで一度まとめておくと。 

スザクは自分が罪深い過去を背負っていると周りが思っている以上に感じていて、それに囚われた行動をしている。その罪の所為でルールから外れたことを極端に嫌い、多くのルールに従う。ただし、それでも従えないものがスザクにはあって、それは自身ではなく他人を傷付けるもの。本当は真に正しいことがしたいが、そうできずに迷走している。もしかすると、正しいことをすれば救われると思っているかもしれない。

今日はここまで。明日は続きとまとめ。どうすれば、スザクはまともになれたのか、その辺りも考えてみようかなと思います。