橋本紡「半分の月がのぼる空シリーズ」5/5

 ライトノベルですが、ライトノベルっぽくない小説です。アニメ化された有名作なので、この紹介もやはり今更ですがww
 まずあらすじを。
主人公はある日入院することになり、そこで難病を患う少女と出会う。少女はとても可憐で儚げで・・・・とても我侭だった。そんな2人の成長物語です。

 なぜこの物語に惹かれたのか。それは、大雑把な物語の流れから小さな物語が派生して1つの作品を作っていること。この物語では、登場人物の誰もが主役級です。誰もが悩みを抱えていて、不安と期待を抱えたままに物語は終わる。子ども達は将来に不安で迷っている。大人達は失敗をして、彼らの世界は閉じていたりもする。
バラバラと視点が変わっても、それでも安定しているのは、この物語の世界観のおかげでしょう。世界は2人で閉じているわけじゃない。2人は特別であるが、色んな人たちに助けられながら、また影響を及ぼしながら生きるしかないという世界。とても現実的な話です。
ライトノベルに属されるのは、プロレス系のネタがあったり、少し笑えるようなそんなネタがあったりするからですね。
 全6巻+3冊のかなりの大作。文章も易しく、さらっと読めてしまう。おもしろくて、悲しくて、ほかほかする。中学3年生〜高校2年生くらいに読んで欲しいなぁと思ったり。もちろん、大人が読んでも十分楽しめるし、ぜひ子ども達に伝えて欲しい小説だと思う。