なぜネカネに出番が訪れないのか。


 アーニャがパーティーに加わったのに対し、ネカネは完全に置いてけぼりですね。それも一重に、ネカネは前に出てはいけない理由があるからなんです。
 簡単ですが、ネカネの立場を確認しておくと、血縁間はわかりませんが、物語序盤からネカネはずっとネギのその保護者という立場です。
 話は少し変わって、ネギは節目にはネカネに手紙を送り、現状を報告していましたね。このやり取りは、実は非常に大事で、ネギがネカネにこれまで起こったことを直に報告するというフラグだったはず。しかし、再会するや否や、地下室へほぼ直行するという展開。ネギとネカネのやり取りがほとんどありません。
 なぜこんな事態が起こるのでしょうか。確かに、生徒を放置してネギとネカネのうふふあはは状態が延々と繰り広げられれば、溜まったものではありませんが、随分とさっぱりしすぎです。
 私がまず思いついたのは、やはりネギの成長です。絶大の信頼を置ける人間が少数しかいなかった頃とは異なり、将来を共にするというパートナー契約の仮契約を何人もの生徒として、幾多の苦難を乗り越えてきた仲間がいます。この社会の広がりは、我々も経験する社会の広がりです。属するコミュニティを家族から学校へと移していく。ゆえに、ネカネに対して気恥ずかしさも勝ってくる。
 この推察はそれほど外れてはいないでしょうが、それよりもネカネのほうにこそ問題があるとすればどうでしょうか、というのが今日の話です。
 
 「ネカネはナギの行方をかつては知っていた、あるいはそれなりの情報を持っていると考えられます。」

 このネカネの立場と非常によく似たケースのキャラがいます。ハンター×ハンターのミトさんです。ミトさんは、ゴンの母親代わりで、ゴンの父とは幼なじみで、ゴンを独りで養って育てました。しかし、ゴンは父を探す旅に出てしまうのです。似すぎていますねww
 そうなんです、少なくともミトさんはゴンを預かる時にゴンの父に会っているわけで、ネカネはネギを預かる時にナギに会っているはずで、事情や何かの情報を聞いているはずなんです。たとえ、それが直接ネカネではなくとも、話としては聞いているはず。
 確かにミトさんは何も聞いていませんでしたが、その代わり、ゴンが帰省したときに、ゴンの父とのエピソードやゴンとの関係などの話が膨らみました。しかし、ネカネはまったくそれらがありませんでした。それは、つまり情報を持っていて、今は隠しているに違いないからです。ネギがいつものように、飛び出していかないように。