近況報告

 大変ご無沙汰をしておりました。仕事の方がようやく落ち着いてきまして、日記を書く気力も出てきました。かれこれ、2ヶ月ほども放置をしていまして、このまま消えてしまうのかと自分でも思っていましたが、何とかやっていこうかと思います。
 私生活の方では、なかなか落ち着かず、本もあまり読めず、とりあえずアニメは見てるみたいな感じで過ごしてました。まぁ、とにかく、仕事、仕事といった感じでした。
 本もこの間、ようやく一冊を読み終えたような状態ですね。まぁ、とにかく忙しいというか精神的に疲れる仕事といいますか。介護関係の仕事なんですけどね。まだ、開業したばかりで、わからないことが多いのに、さらに手探りみたいな状況ですからね。今年いっぱいくらいは落ち着いたといっても気が抜けないと思います。
 それでも、終業時間がほとんど7時までで落ち着いてくるということなんで、その辺は葬儀の仕事とは大違いですね。ぜんぜん楽です。まぁ、葬儀の仕事をする前はそんな感じだったんですが、あのインパクトが強すぎて、普通の状態に戻っただけでも楽に感じますwwなんせ、早くて10時とかですからね。それが毎日とか死亡ですよ。ほんとに。人間関係も最悪でしたし・・・・
 まぁ、まぁそのことはもう忘れて、これからがんばっていきます。次の更新はそんなに日を開けずにできればと思います。

アサウラ「ベン・トー〈3〉国産うなぎ弁当300円」 3.5/5

ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 3 国産うなぎ弁当300円 (スーパーダッシュ文庫)

 ベン・トーの第3巻。安定したおもしろさです。というより、基準のラインがあって、そこから話によってどこまでプラスになるのかと考えた方がいいのかもしれません。まぁ、続き物の場合、大抵そう評価してしまうんですけど。基準のラインが高いか低いかの問題でしょう。
 3巻になり、ちょっとテンションが上がりすぎていて、軽くひきますねwwそこまで行ったら行き過ぎじゃないですかねって感じです。それでも、締めるところはちゃんと締まっているのでうまいなと感じさせられるんですが、だんだん作者のアクが濃くなってきてますwwそれがいいのか悪いのか。暴走したり、失速したりされると悲しいので、適度に頑張って欲しいなぁと、そんな風にまた、思うしだいであります。またというのは、某作家先生のことですww暴走かつ失速された、あの・・・・

アサウラ「ベン・トー〈2〉ザンギ弁当295円」 4/5

ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 2 ザンギ弁当295円 (スーパーダッシュ文庫)

 ベン・トーの第2巻です。第1巻同様、かなり濃い内容で書き上げられております。ただ、半額弁当を取り合うだけなんですけどね。
 2巻が出ることによって、方向性として見えてきたものとしては、主人公の変態性を笑いにするとか、最終的な終わり方としての複線とか、主人公と狼との関係性とか、かなりはっきりしてきましたね。
 文章力もさることながら、この作品をおもしろくしているのは、まっすぐな姿勢でしょう。いろんな意味で正面を向き合って生き抜くという姿勢が、斜に構えるような最近の作品とは違っていいです。まぁ、それだけじゃなくて、笑いを入れたり、馬鹿なことを真面目に詳細に書ききるとか色々あるんですけどね。いぬかみっ!のワンランク上の作品と、今後なっていくのかもしれません。何だかんだで、いぬかみっ!は変態ラノベの称号のみでしたからww
 

田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」 2/5

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)

 ギャルゲープレイヤーなら誰しもが一度は望んだ夢が叶ったという設定のラノベです。つまり、ギャルゲーのヒロインが現実世界につじつまを合わせてやってきたと。ギャルゲーのようなキャラが出てくる普通の話ではなくて、ギャルゲーを認識している主人公が、自分の世界に具現化したヒロインたちを幸せにしようとするという話で、話の肝として、ギャルゲーの世界と現実世界とのひずみが生む問題が起こります。ギャルゲの世界のシーンとシーンの間も現実では話が続いているとか。
 比較的楽しんで最後まで読めましたが、設定命みたいな感じで、最後まで読み終わると、まぁそういうもんでしょうねみたいなww
 単純にもうちょっとおもしろくならなかったのかなとか思いますね。

アサウラ「バニラ」 3/5

バニラ A sweet partner (スーパーダッシュ文庫)

バニラ A sweet partner (スーパーダッシュ文庫)

 ベン・トーがおもしろかったので、同じ作者である本作を読んでみました。
 内容は、二人の女子高校生が、アメリカのように銃の所持が許された日本で、自分たちらしく世の中を生き抜いていくため、銃を手に取る・・・というものです。
 予想通りと言いますか、やはり作者の文章力が高く、ありがちな物語ではあるものの、面白く最後まで読めました。
 ただ、それ以上ではなかったと思います。設定が普通といいますか、ベン・トー並に色々と期待してはいけないです。
 私の中では、期待してもいいラノベ作家さんの一人になりましたww一番期待している秋山瑞人さんは今、どうしておられるんでしょうww

個人的な良いミステリかどうかの基準について

 どんなタイプのミステリがおもしろい、すばらしいと感じるかという基準に関しては、人によって色々あると思うんです。そんなことを考えたことがないという人やそんなものはないという人もいるでしょうが、実際しっかりと考えてみるとあるはずです。
 この場で区別していくということはしません。私が思う基準を述べるだけですので、あしからず。

 ・ 犯人が明かされる0.8歩手前で犯人を大体の人が分かる構成
 これが私が良いと思うミステリの基準です。ああ、わかると思っていただけたらうれしい限りですが、ピンとこないという人もいるので説明します。
 基本的に犯人が判明するのはラスト手前です。そこはいいでしょう。そこから0.8歩手前というのがどの場面なのかということが分かりにくいかと思います。
 それを説明する前に、ミステリを二つのタイプに分類しなければなりません。一つは、犯人が明らかになってから説明があるもの、もう一つは、犯人が明らかになる前に説明があるものです。どちらか微妙なものもあるんですが、問題にしたいのは、犯人が先に明らかになって後で説明されるというタイプのミステリは、私の基準とは別にして考えて欲しいということ。解説をしながらだんだんと犯人がわかっていくというタイプを想定してください。
 そう考えると、1歩手前が解説が始まる前となるので、0.8歩とは解説がほんの少し始まったところです。なぜ、0.8歩の地点なのか。1歩手前だと、簡単すぎると感じてしまう。犯人が明かされるまでわからないと、難しすぎると感じてしまう。0.8歩だと、犯人が分かった上で、「ああ、そう!そうだろ?わかった!そうそう、合ってる、それで、これはこうだ!」という楽しみがそれなりに味わえるんですよ。なおかつ、犯人が分かった瞬間、稲妻が走ったようになって、色んな場面のバラバラだったピースがカチッとはまる。その瞬間がいいんですよ!わかりますよね?わかってくれますよね。1歩手前ぐらいでわかってもいいんですけど、それだと、どことなく「ああ、そうね、はいはい。」って感じが出てしまうんですよね。
 あくまで個人的な意見ですけどね。そういう楽しみ方ができることがミステリの醍醐味だと思うんですよね。最後になってから、色んなパターンの展開が考えられるのがミステリ以外のすべての小説で、最後は色々と細分化できるけど、一つの終局(犯人が明らかになる)に向かう展開で終わるのがミステリ。この綺麗に組み立てられた構成が好きなんですよ。
 最後はミステリ好きについて語ってしまいましたが、こういう点を踏まえた上で作者が多くの人にそれを味わって欲しいと考え、0.8歩ぐらいで犯人がわかるように仕組まれてる作品が、おもしろいとか、すごいとか、そういう評価を超えて、良いミステリと言われるんじゃないかと思います。ミステリの本質をついてますから。

辻村深月「凍りのくじら」 3.5/5

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

 この点数に納得がいかない人が多いんじゃないかなと思いつつ、つけました。だって、この主人公を最初から最後まで受け入れられないんだもんww
 ちょっと長くなりそうなので、それは後にして、本としては全体的にうまくできてました。プロットはどこかで見たことがあるものなのでまったく新しいものではないんですが、完成度が高かったと思います。ドラえもんと父親と謎の散りばめ方。これがうまいなぁと。ドラえもんというスパイスが巧みに利いてるんですよwwそういう面でいくと、私の基準では4点をつけるべき作品であるはずなんですが・・・・駄目でした。
 話が戻りますけど、これと同じプロットの作品を見たことがあるんですが、タイトルが思い出せない。映画だったと思うんですが、小説だったかもしれない。めちゃくちゃ気になる。やっぱり高校生くらいの少女が主人公で恋愛か何かをしている。そこに不思議な青年というか少年が現れて、少女を導こうとする。最後に何かの問題があって、ふとしたきっかけでそれが幽霊であると気づき、すでに亡くなったはずの父親であると同時に気づく。何だったか・・・・まぁ、似たような話はそれこそタイムマシン関係の話ではありがちではあるんですが。
 さて、この主人公ですが、最初はああなんとなくわかるかもと思いつつも、だったら何でこういう行動をとる?と思っていて、中盤では前半からの流れだとこんな感じになるか?となって、終盤は急に子供っぽくなってどうしたんだ?もうわけわからん。となりました。第三者の視点というか、交わりが少ないので掴みどころがないんですね。人というのは人に認識されて始めて性格が固定されると言われるんですが、要するに付き合う人によって態度みたいなものを誰もが変えている。それがない状態で、自分はああだ、でも実際はああじゃなかったとか言われても付いていけない。中盤は特に流されるように物事を受け入れているだけで、それに対して分析されても、それはただ起こっている事実から自分をそうだと思い込んでるだけじゃないのって感じでした。例を挙げると、
 「私は親友が最近信用できなくなった。それは自分が変わってしまった所為だろう。誰とでも仲良くやってきた自分は本当の自分ではなくて、本当に大切な親友を大切にする自分が本当の自分であると気づいた。でも、現実はどうだろう。本当の自分に気づいたはずなのに、何もかもがうまくいかなくなった。親友との付き合い方は変わっていない。変わらないからいけないのか。あれが悪かったのか、いやそれか。そもそも親友が変わったのかもしれない、いや私がただ間違っていたのかもしれない。」
 みたいな感じですかねwwまぁ、とにかく中盤以降は視野が極端に狭い。ほとんど何も考えない。感じるだけ。状況的にそうなったとも取れるし、ゴールに向かってそうならざるを得なかったとも取れる。そう思わせるのはやはり、序盤から中盤にしっかりとキャラが固まってなかったからかなぁと思う。
 4点にしなかったのは、この主人公がもう最初から最後まで受け入れられなかったからですね。